【初心者向け】Webサイト分析ツール 目的別のおすすめ9選|選び方のポイントも解説

Webサイトを改善するにあたって、「どんなツールを使えばよいのか」「どのような視点でツールを選べばよいのか」といった疑問が出てくるでしょう。実際、分析ツールにはさまざまな種類があり、自社の目的に合ったものを選ぶ必要があります。
今回は、分析ツールの概要と選び方のポイント、目的別のおすすめツールを紹介します。ツールの導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
目次
Webサイト分析ツールとは?導入のメリットと重要性を解説
「Webサイト分析ツール」とは、その名のとおり、サイトを分析するためのツールです。まずは、Webサイト分析ツールがもつ主な機能と導入のメリットについて解説します。
Webサイト分析ツールの基本機能と役割
Webサイト分析ツールには、さまざまな種類があり、ツールごとに持っている機能が異なります。よくあるツールの基本機能は以下のとおりです。
- アクセス解析: サイトへの訪問者数、ページビュー数、滞在時間などの基本的な指標を計測します。
- ユーザー行動分析: ユーザーがサイト内でどのようにページを遷移し、どのコンテンツに興味を示したかを可視化します。
- 流入経路分析: 訪問者がどのようなルート(検索エンジン、SNS、広告など)からサイトに到達したかを計測します。
- コンバージョン計測: 商品購入やお問い合わせなど、サイトの目標となる行動(コンバージョン)の成果を計測します。
- セグメント分析: 訪問者のデバイスや地域、新規/リピーターなどの属性別の行動を比較します。
Webサイト分析ツールを導入するメリット
Webサイト分析ツールを導入することで得られるメリットを紹介します。導入を悩まれている方の後押しになれば幸いです。
1. データに基づいたサイト改善が可能になる
主観的な判断ではなく、実際のユーザー行動データに基づいてサイトを改善することができます。例えば、流入はあるものの、問い合わせに結びつかない場合、アクセス解析ツールが入っていれば、離脱率の高いページを特定して、改善を図れます。さらに、ヒートマップツールを導入していれば、そのページのどこで離脱が起こっているのかが分かり、仮説を立てやすくなります。
2. マーケティング施策の効果測定が容易になる
ツールの導入により、広告やSEO、コンテンツマーケティングなどの施策がどれだけ効果を上げているかを数値で把握することができます。根拠となる数値があることで、効果的な施策に予算を集中させるなど、効率的なマーケティング戦略を立てることが可能になります。
3. 競合分析やSEO対策の強化ができる
競合サイトのパフォーマンスや検索エンジンでのランキング状況を分析することで、自社サイトの相対的な位置づけを把握し、改善点を見出すことができます。また、キーワード分析などを通じてSEO対策を強化することも可能です。
Webサイト分析ツールの種類と選び方
「Webサイト分析ツール」と一言でまとめていますが、ツールごとに得意分野が異なります。適切なツールを活用することで、サイトのパフォーマンスを正しく把握した上で、課題を特定して改善策を講じることができます。ここでは、ツールの種類と選び方のポイントを紹介します。
主なWebサイト分析ツールの種類
Webサイト分析ツールによって、種類・役割が異なります。今回は、主要となる種類を4つ紹介します。
アクセス解析ツール
サイトへの訪問者数や流入経路、ページビュー数、滞在時間、ユーザー属性、コンバージョン数など、Webサイト内の基本的な指標を計測します。サイト内の数値を包括的に把握できるため、必ず導入したいツールです。
ヒートマップツール
ユーザーのサイト内の行動を視覚的に分析できるツールです。アクセス解析ツールでも把握できることはありますが、ページごとの細かな動きは把握しづらい側面があります。そのため、ユーザーがページのどこで離脱しているか、クリックされているのはどこか、どんなコンテンツに興味を示したかなどを可視化してくれる「ヒートマップツール」がおすすめです。
SEO分析ツール
SEO施策を行う場合に導入したいツールです。キーワードごとの検索順位や流入数、検索エンジンでの表示回数などを把握したり、SEOの評価を確認したりするツールがあります。自然検索流入を増やしたい場合に活躍しますが、基本的にはサイト公開時から導入しておくことをおすすめします。
競合分析ツール
競合サイトのアクセス解析や獲得キーワードの把握ができるツールです。競合サイトと自社サイトのアクセス数を比較したり、獲得できていないキーワードがないかなど、自社サイトの現在地を知るために競合サイトの状況を理解しておくことが重要です。
Webサイト分析ツールを選ぶ3つのポイント
「アクセス解析ツールを導入しよう!」と思って調べると、ツールがたくさん存在していて、どれを選ぶべきか、悩んでしまいますよね。ツールを選ぶにあたってチェックしたいポイントを3つ紹介します。
1. 無料か、有料か
無料で導入できるものと、有料でないと利用できないものがあります。無料・有料のツールのメリットとデメリットをまとめました。
無料 | 有料 | |
メリット |
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デメリット |
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初めて分析ツールを使用する場合や、小規模サイト・個人ブログを運営している場合には、無料ツールから導入するのが良いでしょう。一方、無料ツールでは、機能が制限されていて思うように分析できない、PV数の多いサイトや複数サイトを分析したい、という場合には、有料ツールの方が使い勝手が良い場合が多いです。
有料ツールの場合、期間限定で無料体験ができるものが多いため、お試しで使ってみて、利用の有無を検討してみるのがおすすめです。
2. 自社の目的に合った機能があるか
Webサイト分析の目的は企業やサイトによって異なります。
とりあえず、ユーザーの流入数や流入経路、ページビュー数が知りたいということであれば、アクセス解析ツールを入れるだけで良いでしょう。サイトを改善するために、サイト内のユーザーの動きを可視化したい場合には、ヒートマップツールを、自然検索流入数を増やしたい場合にはSEO分析ツールを入れる必要があります。
また、目的が同じツールであっても、見られる数値や機能が異なる場合があるため、自社の目的に合った機能を網羅しているツールを選ぶことが大切です。
3. 使いやすさや操作性(他のツールとの連携性)
いくら高機能なツールでも、使いづらければ活用できずに終わってしまいます。機能が充実しているからという理由で選んでも、どの項目を見たら良いか分からない、見たい数値の出し方が分からない、となってしまっては意味がありません。
ツールを選ぶ際は、下記のような点をチェックしましょう。
- 直感的なインターフェースで操作しやすいか
- 日本語対応しているか
- レポートの作成や共有が簡単か
- 他のマーケティングツールとの連携が可能か(例:広告管理ツール、CRMなど)
【目的別】おすすめWebサイト分析ツール9選
それでは、具体的なおすすめのツールを目的別に紹介していきます!
アクセス解析ツール
アクセス解析ツールの代表格といえば「Google Analytics」です。Google Analyticsに加えて、アクセス解析をサポートしてくれるツールも紹介します。
Google Analytics(無料/有料版あり)
Google Analyticsは、世界中で最も広く使われているアクセス解析ツールです。より高度な分析を行いたい企業向けに有料版のGoogle Analytics 360も提供されていますが、基本的な機能は無料で利用できます。
ユーザー属性、行動、コンバージョン状況など、様々な角度から分析が可能で、標準レポートも用意されています。また、自身で指標を追加したり、項目をカスタマイズしてレポートを作成できたりと、カスタマイズ性が高いことも特徴です。
さらに、Googleの他のツール(Search Console、広告など)との連携も簡単にできるため、一つの画面で数値を参照でき、ツールを横断した分析もできます。
おすすめポイント
- 初心者から上級者まで幅広く対応
- 無料版でも十分な機能を備えている
- 豊富な情報源やコミュニティがあり、学習しやすい
AIアナリスト(無料プランあり)
AIアナリストは、AI技術を活用してウェブサイトのデータを自動分析し、改善提案を行ってくれるツールです。各アカウントと連携すれば、SEOや広告領域も含めた分析をしてくれることも特徴です。
AIアナリストは、AI技術を活用してウェブサイトのデータを自動分析し、改善提案を行ってくれるツールです。専門知識がなくても洞察を得ることができ、わかりやすいレポートと具体的な改善策を提示してくれるため、簡単に社内資料を作成できます。
また、各アカウントと連携すれば、SEOや広告領域も含めた分析をしてくれることも特徴です。
おすすめポイント
- 分析の時間を大幅に短縮できる
- データ分析の専門知識がない方でも活用しやすい
- 無料プランで使用感を確認できる(有料プランも比較的低価格で導入可能)
Juicer(無料プランあり)
(引用:https://juicer.cc/)
Juicerは、Webサイトのアクセス情報をもとにペルソナ分析やABテスト、BtoB分析など、ユーザーの解像度が上がる分析情報を提供してくれるツールです。基本機能は無料で利用でき、タグを埋め込むだけで簡単に計測をスタートできます。
おすすめポイント
- 基本機能は無料で利用でき、サイト数やアカウント数の制限がない
- サイト訪問ユーザーのデータをもとにペルソナ分析してくれるため、リアルなユーザー像を把握できる
- 見込み顧客の状況を把握した上で、打ち手を検討できる
ヒートマップツール
ユーザーのサイト内の行動を視覚的に分析できるヒートマップツールは、ツールにより機能や使用感が異なるため、無料プランでお試しして合うものを見つけるのがおすすめです。
Microsoft Clarity(無料)
(引用:Clarity ライブデモ)
Microsoft Clarityは、Microsoftが提供する無料のヒートマップツールです。ヒートマップツールを使用したことがない方は、無料で導入できるMicrosoft Clarityから試してみて、さらに詳しく分析したい、となった場合に有料ツールを検討するのが良いでしょう。
クリックヒートマップ、スクロールヒートマップマップに加えて、セッション録画機能がついており、ユーザーの閲覧動向を把握できます。
なお、Microsoft Clarityでは、「http://example.com?page_id=〇〇」のような、パラメータで出し分けているページを正確に区別できない場合があるため、注意が必要です。
おすすめポイント
- 完全無料で基本機能を押さえている
- 設定が簡単で導入ハードルが低い
- 大手企業のサービスなので信頼性が高い
- セッション録画で、実際にユーザーがどのようにページを閲覧しているかを確認できる
ミエルカヒートマップ(無料プランあり)
(引用:https://mieru-ca.com/heatmap/)
ミエルカヒートマップは、日本発のヒートマップツールで、日本語サポートが充実しています。無料プランがありますが、PV数や登録サイト数、計測URL数などの制限があります。ページ数の多いサイトや複数サイトを運営している場合には、無料プランを使用してみて問題がなければ、有料プランへ移行するのがおすすめです。
スクロールヒートマップ、クリックヒートマップ、アテンションヒートマップと3種類のヒートマップを並べて見ることができ、細かい条件でのセグメント分析も可能です。
おすすめポイント
- 初心者でも使いやすい設計
- 導入前レクチャーなど、サポートが充実しているため、見るべきポイントが分かる
- 期間別・フィルタ比較ができるため、施策の効果検証がしやすい
User Heat(無料)
User Heatは、無料で使用できるヒートマップツールです。月間30万PV、1,000ページまでの上限があるため、大規模サイトを運営している場合には、有料サービスである「User Insight」を利用する必要があります。
熟読エリア、終了エリア、クリックエリア、マウスムーブ、離脱エリアの5種類のヒートマップが用意されているため、様々な角度からユーザーの行動を分析できます。
ただし、計測できるページの高さに制限があるため、長いページを計測したい場合は、途中までしかデータが見られない可能性がある点に注意してください。
おすすめポイント
- 無料で基本機能を押さえている
- 設定が簡単で導入ハードルが低い
- マウスの動きが見られるため、ユーザーの閲覧行動を把握できる
SEO分析ツール
SEOに力を入れている場合には、SEO分析ツールの導入が必須です。有料のツールは価格が高い、機能が充実しすぎていて専門性の高いものが多いため、押さえておきたい無料ツールのみ紹介します。
Google Search Console(無料)
Google Search Consoleは、Googleが提供する無料のSEO分析ツールです。GoogleAnalyticsがサイト内のユーザー行動を計測するのに対し、サーチコンソールはGoogle検索結果におけるサイトの状況を分析するのに最適です。
キーワードやページを軸に、表示回数やクリック数、クリック率、掲載順位などの基本的なパフォーマンスを確認できます。また、Googleにページを認識させるための「サイトマップ」の送信やインデックス状況の確認ができたり、ページエクスペリエンスやペナルティ状況など、検索順位に影響を及ぼす可能性があるサイトの問題を確認できたりと、SEOの基本的な対策ができることが特徴です。
おすすめポイント
- 無料で利用可能
- Google検索エンジンにおけるサイトパフォーマンスの情報が豊富に得られる
- サイトの技術的な問題を早期に発見できる
Page Speed Insights(無料)
PageSpeed Insightsは、Googleが提供するウェブページの読み込み速度を分析するツールです。URLを入力するだけで測定できるため、自社サイトの分析はもちろん、競合他社のサイトの数値と比較可能です。
モバイルとデスクトップの両方でページ速度を測定し、100点満点のスコアで採点され、Core Web VitalsなどのSEOにおける重要な指標を確認できます。また、問題に対する具体的な改善策を提示してくれるため、どこを直せばよいのか分かるのが嬉しいポイントです。
おすすめポイント
- 無料で利用可能
- SEOにおける重要な項目を分析して、評価してくれる
- 技術的な知識がなくても改善点がわかりやすい
競合分析ツール
最後に、競合分析ツールを紹介します。自社サイトの良し悪しを相対的に評価するための指標として、施策を検討するための判断基準として、競合サイトの状況を把握することが大切です。
Similar Web(無料プランあり)
(引用:https://www.similarweb.com/ja/)
SimilarWebは、Webサイトのトラフィック情報や流入経路、ユーザー行動などを分析できるツールです。自然検索流入の割合や流入キーワード、Web広告媒体への出稿状況も確認できるため自社のマーケティング施策を検討する際にも役立ちます。
ただし、モニターの情報から推測して数値が算出されているため、正確なデータではありません。自社サイトの数値も算出した上で、競合サイトとの相対的な差を確認することをおすすめします。
おすすめポイント:
- 無料プランでも基本的な分析が可能
- 競合サイトのデータを把握できるため、自社サイトの評価や施策検討に生かせる
- マーケットリサーチや競合調査に生かせる
まとめ:目的に合った分析ツールを選ぼう
以上、Webサイト分析ツールの重要性や選び方のポイント、おすすめツールを紹介しました。Webサイト分析ツールは、目的に応じて適切なものを選択することが大切です。
初めてWebサイト分析に取り組む場合は、まずは無料ツールから始めて、分析を習慣化させること、分析スキルをアップさせることに重点を置きましょう。その上で、今のツールでは機能が不十分だと感じる場合には、有料ツールの導入を検討することを推奨します。
重要なのは、データを収集するだけでなく、それを実際のサイト改善やマーケティング戦略に活かすことです。分析結果を定期的にチェックし、PDCAサイクルを回していくことで、サイトのパフォーマンスをより良いものにしていきましょう。
