【初級者向け】ホームページのアクセス解析方法|Googleアナリティクスを含むツールも紹介
2024.10.30
ホームページを制作したものの、成果が可視化できておらず、感覚で良し悪しを判断してしまっていませんか?
「なんとなく問い合わせが増えた気がする」
「ホームページを見たと言われることが増えてきた」
嬉しい変化であることは間違いありませんが、それだけではサイトを最大限生かすことができていません。ホームページのどの部分が成果に貢献しているのか、どんなユーザーが見てくれているのか、ということまで分かれば、今後のホームページ改善やマーケティング施策に役立てることができます。
本記事では、ホームページを分析する方法をツールも含めて紹介します。初めてアクセス解析をする方向けの内容ですので、まずはこの記事で紹介されていることをベースに実践してみてください。(だんだんと数字を見るのが楽しくなってくるはずです…!)
目次
なぜアクセス解析が必要なの?
アクセス解析は、ホームページを閲覧したユーザーのデータを取得し、解析することです。まずはアクセス解析の目的や分かること、流れについて確認していきましょう。
アクセス解析の目的
ホームページのアクセス解析は、ウェブサイトのパフォーマンスを客観的に評価し、改善するために行います。
ホームページの解析の目的は大きく下記の2つに分けられると考えます。
- アクセス数を増やす
- コンバージョン率を改善する
ホームページの運営目的が認知拡大であれば、アクセス数を増やしたいでしょうし、売上アップであれば、流入したユーザーをできるだけ取りこぼしたくないので、コンバージョン率を改善したい、ということになります。また、売上(コンバージョン)は、ざっくり考えると「訪問ユーザー数(セッション数)×コンバージョン率」ですので、売上アップのためには当然、アクセス数を増やすことも重要です。
ホームページに対して感じている問題点は様々かもしれませんが、最終的にはこの2つの課題に収束することがほとんどです。
アクセス解析で分かること
では、目的を達成するために必要な情報がホームページのデータから得られるのか、というのが気になるところです。アクセス解析では、主に以下のようなことが分かります。
- ユーザー数(新規か、リピーターか)
- 使用デバイス(PC、スマートフォンなど)
- 流入経路
- 滞在時間
- ランディングページ(どのページからホームページに流入したか)
- ページ別の閲覧数や滞在時間
- イベント数、コンバージョン数
上記のようなデータを活用して、良い点、悪い点を明らかにしていき、マーケティング施策やホームページの改善に生かしていきます。
アクセス解析を生かしたホームページ改善の流れ
アクセス解析をするための大まかな流れは下記のとおりです。
1.データを収集するための準備
ホームページを公開しただけでは、データは蓄積されません(ホームページ作成ツールで、アクセス解析ツールが含まれているものは除く)。アクセス解析ツールを設置して、解析に必要なデータを収集しましょう。
2.データ分析
データが蓄積されたら、数値分析を行い、課題を抽出します。
3.改善案の検討
抽出した課題に対して仮説を立て、具体的な改善案を検討します。
4.改善策の実行
改善策をホームページやマーケティング施策に反映させます。
5.効果測定
改善策を実行後のデータが蓄積されたら、改善前後のデータを比較します。改善されない場合は、改めて改善策を検討します。
6.2〜5を繰り返す
今回は、2と3のアクセス数に焦点を置いた進め方を説明します。
アクセス解析の強い味方!Googleアナリティクスとは?
ホームページのアクセス解析をするにあたり、データを収集してくれる強い味方となるのが「Googleアナリティクス(GA)」です。Googleアナリティクスの概要や分かること、押さえておきたい指標を紹介します。
Googleアナリティクスの概要
Googleアナリティクスは、Googleが無料で提供しているアクセス解析ツールで、Googleアカウントがあれば誰でも利用できます。対象のホームページにGoogleアナリティクスのトラッキングコードを埋め込むことで、データを計測してくれます。
なお、Webサイトだけではなく、アプリの行動を計測でき、Webサイトとアプリを行き来したユーザーの行動を追うことができます。例えば、「PCでホームページを閲覧→スマホアプリに遷移→商品を購入」といったデバイスをまたいだユーザーも同一ユーザーとして認識して、成果を確認できるようになっています。
Googleアナリティクスで分かること・重要な指標
Googleアナリティクスは収集したデータをレポート形式で出力してくれるため、特別なスキルがなくても、基本的な数値は確認できます。
大まかに以下のようなレポートがあります。
カテゴリー | 分かること | 指標 |
ユーザー | どんなユーザーがサイトに訪れているか |
etc. |
流入経路 | ユーザーがどこからサイトに訪れているか |
etc. |
ページ | どのページがよく見られているか | ランディングページ・閲覧ページごとの
etc. |
コンバージョン | どのくらい目標を獲得しているか |
|
また、レポートを見る上で押さえておきたい基本の指標とその意味は下記のとおりです。
用語 | 意味 |
ユーザー | サイトに訪れたユーザーの数 |
セッション | ユーザーがサイトに訪れてから離脱するまでの一連の行動。サイトにアクセス(訪問)された数。
※デフォルト設定では、ユーザーが30分以上操作しなかった場合にセッションが計測し直しになります。 |
ページビュー | サイト内のページが表示された回数 |
エンゲージメント率 | エンゲージのあったセッション数÷セッション数で計算される割合。
エンゲージのあったセッションの定義は下記のとおり
|
キーイベント | 目標として設定したイベントで、一般にコンバージョンと言われる指標。購入や問い合わせ、資料請求など。 |
Googleアナリティクスを活用したアクセス解析でできること
ここからは、Googleアナリティクスでデフォルトで見られるレポートをもとに、どのように数値を見ていけば良いのか、分析のポイントをお伝えします。アナリティクスを使い始めた方がまず試してほしいアクセス解析の方法を紹介しますので、慣れてきたらサイトの特性や見たいデータに合わせてアレンジしてみてくださいね。
ホームページ流入経路の分析
ユーザーがどこからホームページに流入しているのか、流入経路を分析してみましょう。ホームページに訪れたユーザーの流入経路のことを「チャネル」と呼びます。
基本のチャネルには下記のようなものがあります。
チャネル名 | 概要 |
Organic Search | 自然検索流入 |
Organic Social | ソーシャルメディアの広告以外の流入 |
Referral | 他サイトからの流入 |
Paid Search | リスティング広告からの流入 |
Paid Social | ソーシャルメディアの広告からの流入 |
Display | ディスプレイ広告からの流入 |
Direct | ブックマークやURLの直接入力による流入 |
流入経路の基本レポートは、「レポート>集客>トラフィック獲得」から確認できます。
各チャネルごとのセッション数やエンゲージメント率、セッションあたりの平均エンゲージメント時間、キーイベント数、キーイベントレートを確認できます。レポートの数値を見ることで、例えば、下記のような考え方ができます。
セッション数が多いけれども、キーイベントを獲得できていない場合
1.そもそもキーイベント獲得見込みの低い流入経路である。
→獲得見込みの高いユーザーにアプローチできる流入経路を重視する。
2.その経路から流入してくるユーザーの求める情報が提供できていない。
→サイトに入ってくる前にユーザーがどのような情報に触れて流入しているかを把握。
→必要な情報を追加する。
キーイベントレートが高い流入経路がある場合
1.獲得見込みの高いユーザーを獲得できるため、さらに流入を増やすための施策を検討する。
2.なぜキーイベントレートが高い流入経路なのかを分析し、サイト改善に生かす。
また、レポート期間を指定する際に期間比較ができるため、セッション数の増減やキーイベントレートの変化なども確認するとより考察がはかどります。
ランディングページの分析
ユーザーがホームページのどのページから入ってきたかを確認できるレポートです。ランディングページの基本レポートは、「レポート>エンゲージメント>ランディングページ」から確認できます。
どのページからの流入が多いのか、どこから入ってきたユーザーがコンバージョンしているのかが分かります。
レポートの数値を見ることで、例えば、下記のような考え方ができます。
特定のページからのセッションあたりの平均エンゲージメント時間が低い場合
1.そのページに訪れるユーザーの意図と異なるページになってしまっている。
→チャネルと同様、どのような意図でサイトに流入しているかを確認し、改善する。
2.サイト内のコンテンツに問題はないが、サイト構造が分かりづらく、必要な情報にたどり着けていない可能性がある。
→サイト全体の構造や導線を見直す。
流入経路のレポートと同様、期間比較を行うことで、流入が増えているページや減っているページが分かるため、施策を検討するヒントになります。
ページ別分析
各ページのパフォーマンスを確認できます。ページ別の基本レポートは、「レポート>エンゲージメント>ページとスクリーン」から確認できます。
表示回数やユーザー数、ユーザーあたりの平均エンゲージメント時間が確認できます。
レポートの数値を見ることで、例えば、下記のような考え方ができます。
ランディングページでは閲覧数が多くないものの、ページ別レポートで見ると表示回数が多い場合
ユーザーがどこかのページから、そのページに遷移しており、ユーザーが知りたい情報が掲載されていると想定。
→導線がきちんと設置されているか、ページ構成は分かりやすいか、コンバージョンにつながるCTAボタンが設置できているかを確認し、改善する。
表示回数は多いにも関わらず、エンゲージメント時間が短い場合
ユーザーの関心を引くページではあるが、求める情報が掲載されていない可能性が高い。→ページ構成やコンテンツを見直して改善。
その他のアクセス解析におすすめのツール
ここまで、Googleアナリティクスにフォーカスしてアクセス解析の方法を解説しましたが、そのほかにもアクセス解析に役立つツールはたくさんあります。初めてアクセス解析をする方が導入しやすく、扱いやすいツールを2つ紹介します。
Search Console(サーチコンソール)
Googleが提供する無料ツールで、ユーザーがサイトへアクセスする前の検索エンジンのデータを確認できます。SEO対策を行う最初の一歩として導入したいツールです。
Googleアナリティクスと連携して、アナリティクスの画面から数値を確認できるため、アナリティクスと合わせて導入を検討してみてください。
サーチコンソールでは下記のような項目を確認できます。
- サイトが検索結果に表示されたときの「検索キーワード」「表示回数」「クリック数」「クリック率」「平均掲載順位」
- 特定の「検索キーワード」ごとの平均掲載順位の変動状況
- ホームページがリンクされている外部サイト
- SEOの観点から見たサイトの問題点
- セキュリティ・手動ペナルティ(Googleガイドラインの違反)の問題点
ヒートマップツール
ヒートマップは、ユーザーがページ上でどのような行動をしているかを視覚的に確認できるツールです。
ヒートマップツールを提供している会社はたくさんありますので、会社ごとにヒートマップで確認できるデータは異なりますが、大きく下記のようなことが分かります。
- スクロール率:ユーザーがどこで離脱しているか、どこまで見られているか。
- 熟読率:ユーザーがよく見ているコンテンツはどこか、反対に見られていないコンテンツはあるか。
- クリック:よくクリックされている箇所はどこか。
数字だけでは確認できないユーザーの行動が分かるため、ヒートマップもアクセス解析をするにあたって入れておきたいツールの一つです。
会社ごとに閲覧できるデータや機能に差があるため、最終的には分析しやすいツールを比較検討していただくのが理想です。まずはどんなものか試してみたい、という場合には、無料で利用できるヒートマップツール「 Clarity」がおすすめです。 Microsoftが提供するツールで、Microsoft、Facebook、Googleアカウントのいずれかで利用できます。
まとめ
今回は、初めてアクセス解析をする方に向けて、アクセス解析の流れやGoogleアナリティクスを使用した解析方法、おすすめの解析ツールなどを網羅的に解説しました。
無料で利用できるツールを紹介しましたので、まずはお試し感覚で、実際に手を動かしながらアクセス解析を始めてみてください。アナリティクスを使用するだけでもたくさんのデータが見られるため、どんどん数値を深掘りしたくなってくるはずです!
なお、今回ご紹介したツールの導入の仕方が分からない、どのような視点で解析すべきか自社のホームページに合った方法を知りたい、という方は、弊社の無料お悩み相談をご活用ください。アクセス解析の一歩を踏み出していただけるよう、サポートさせていただきます!