【学校・教育機関向け】ホームページ作成のポイントと参考事例
2024.12.04
教育機関を選ぶ際、インターネットで情報収集するのは当たり前の時代になりました。そのため、学校や専門学校、塾、習い事教室にとって、ホームページは重要な役割を担っています。
本記事では、教育機関のホームページ制作において押さえるべきポイントを詳しく解説します。
目次
1.学校・教育機関のホームページが果たす役割と重要性
まずは、教育機関のホームページの役割を確認しましょう。教育機関に共通する役割と教育機関ごとの特徴を紹介します。
教育機関におけるホームページの役割とは?
教育機関のホームページは、単なる情報発信の場を超えて、実際の学校生活や教育活動をデジタルで体験できる場としての役割を果たしています。多くの保護者や学生、見込み顧客が教育機関選びの重要な情報源としてホームページを活用しており、その重要性は年々高まっています。
ホームページが果たす代表的な役割は、主に以下の4つです。
情報提供
授業内容やカリキュラム、イベント情報など、潜在的な顧客やその保護者に対する情報提供は、教育機関の信頼獲得に不可欠です。
なお、教育段階によって重要となる情報は異なります。例えば、小学校であれば、教育理念や方針、学校行事、給食の内容、学童保育の案内が中心です。中学校・高校では、小学校で求められる情報に加えて部活動や委員会活動の紹介、進学実績なども重要な情報となります。専門学校の場合は、就職サポート体制や資格取得の実績が特に重視されます。
広報活動
教育理念や方針、教育活動の成果を発信することで、教育機関のブランドイメージを構築し、共感を得ることができます。地域貢献活動やボランティア活動への参加、特色ある教育プログラムの実施例などを紹介することで、教育機関の姿勢や魅力を効果的にアピールできます。
生徒募集
写真や動画を活用して学校の魅力を効果的に伝えることで、入学希望者の増加につながります。ホームページ自体が、生徒募集における強力なマーケティングツールとなるのです。
コミュニケーションツール
お問い合わせフォームやFAQの設置により、ユーザーとの双方向のコミュニケーションが可能になります。特によくある質問をまとめることで、ユーザーはサイト上で疑問を解決でき、学校側は電話対応などの業務効率化につながります。
さらに、教育機関のホームページは在校生の学習支援や保護者との連絡ツールとしても機能し、教育機関の活動全体を支える重要な基盤となっています。
教育機関ごとに異なるホームページのニーズ
ここからは、ホームページに求められている情報を教育機関別に紹介します。教育機関ごとに異なるポイントがありますので、コンテンツ制作の参考にしてください。
学校・専門学校
学校・専門学校のホームページには、「教育の質」を具体的に示すことが求められます。そのためには、カリキュラムの詳細な説明だけでなく、教育メソッドの特徴や施設・設備の活用方法、教職員の専門性などを発信して教育の質の高さの根拠を提示する工夫が必要です。
特に見込み生徒と保護者へのアプローチでは、進路実現までのプロセスを明確に示すことが重要です。入学から卒業後のキャリアパスまで、ロールモデルとなるストーリーを見せることで、見込み生徒と保護者の不安を解消し、学校への信用を構築できます。例えば、卒業生の進路実績や在学生のインタビュー記事を掲載すれば、リアルな学生生活の様子を伝えることができ、入学後のワクワク感や将来の明るいイメージを与えられます。
また、学校案内に加えて、キャンパスツアーの動画や模擬授業の紹介、体験イベントの詳細など、興味を引くコンテンツを豊富に用意することも大切です。入試情報や奨学金制度についても、分かりやすく丁寧な説明が求められます。
学習塾
塾のホームページでは、「学習効果」が目に見える形で示されていることが大切です。合格実績はもちろんのこと、どんな指導方針で、どのような学習プログラムを通じて成果を上げているのか、その過程を分かりやすく説明しましょう。特に、個々の生徒に合わせた指導方法や、苦手分野の克服方法、やる気を引き出す工夫など、塾ならではの教育の特徴を分かりやすく伝えることで、「自分に合った指導をしてもらえる」「成績アップ・志望校合格が実現しそう」と感じてもらえます。
また、授業料や無料体験授業の案内など、保護者の判断に直接関わる情報も、はっきりと示す必要があります。
近年では、教室での対面指導に加えて、オンライン授業への対応状況など、新しい学習スタイルに関する情報提供も欠かせません。保護者が安心して子どもを通わせられる環境であることを、アピールしましょう。
資格スクール
資格スクールのホームページでは、受講者が重視する「短期間で確実に目標達成できること」と「学んだことを仕事に活かせること」を明確に示すことが大切です。
まず、短期間での目標達成については、カリキュラムやコース設計を通じて説明するのが効果的です。例えば、効率的な学習プランや短期集中コースを紹介し、限られた時間の中で最大限の成果を出せるような学習方法を提供していることをアピールしましょう。また、資格取得までの具体的な期間や合格実績もあわせて示すことで、受講検討者が「最後まで学習を続けられそう」「自分も目標を達成できそう」というポジティブなイメージを持ってもらえ、受講を後押しできます。
次に、学んだことを仕事に活かせることについてです。資格取得後にどのようなスキルが得られ、それがどのように職場で役立つかについて具体的に提示します。例えば、カリキュラムで身につくスキルや実務に直結した知識、卒業生が活躍している就職先などを紹介することで、学習が実際のキャリアアップに直結することがわかりやすく伝わります。
また、実務に役立つ資格の活用法や、資格取得後のサポート体制についても説明することで、仕事で活かせるスキルが身につくと感じてもらえるでしょう。
上記2点に加えて、以下のような情報を充実させることも重要です。
- 費用
受講料や教材費など、受講にかかる費用を分かりやすく掲載します。支払い方法や分割払いの可否なども説明することで、受講のネックになりがちな費用面での不安を解消できます。
- 学習サポート
講師による質問対応の時間や方法、個別指導の有無、模擬試験の実施など、具体的なサポート内容を記載することで、学習の環境が整っていることが伝わります。通学受講の場合は、振替の可否や受講有効期間の長さをアピールしましょう。
- 受講スタイル
近年はオンライン学習の需要も高まっており、学習形態の選択肢についての説明も欠かせません。オンライン授業の実施や学習支援ツールの活用といった現代の学習スタイルに対応した環境が整っていることをアピールすることで、忙しい社会人でも学びやすいスクールであると感じてもらえます。
上記をふまえて、学習者が安心して資格スクールを選べるようなコンテンツを検討しましょう。
2.学校・教育機関のホームページ制作で押さえるべきポイント
ホームページの制作目的を明確にする
学校・教育機関に限りませんが、ホームページを制作する目的を明確にすることは、ウェブサイト制作の基本と言えるでしょう。
- 誰に何を伝えたいのか?
- どのような行動を促したいのか?
- ホームページを通じて、どのような成果を期待するのか?
これらの点を明確にすることで、ホームページの構成やデザイン、コンテンツを効果的に設計できます。
例えば、塾のホームページを制作する場合、下記のような内容が考えられます。
誰に何を伝えたいのか? | 近隣の中学生とその保護者に、
・塾の指導方針 を発信したい。 |
どのような行動を促したいのか? | 電話またはフォームからの問い合わせ
無料体験授業への申し込み |
ホームページを通じて、どのような成果を期待するのか? | 問い合わせ件数・体験授業参加者数の増加による塾生の獲得数増加 |
ここで重要なのは、単なる問い合わせ件数や体験授業の参加者数の向上だけでなく、最終的な入塾まで視野に入れた目標設定をしていることです。
最終目標を明確にしておくことで、入塾検討者の「情報収集→問い合わせ/見学→入塾」という意思決定プロセスに沿って、各段階でのつまずきポイントを意識した適切な情報提供と動線設計を検討できます。
ブランディングを意識したデザイン
ホームページ制作において、「ブランディング」は重要なキーワードです。ブランディングとは、学校のイメージや他校との違いを明確にし、学校の価値を高めるための活動のこと。そして、デザインは「学校らしさ」を表現する強力なツールとなります。
ここでは、学校の個性をビジュアルデザインで効果的に表現するためのポイントをご紹介します。
- ビジュアルアイデンティティの確立
ホームページデザインには、その学校らしさを表現するビジュアル要素が必須です。ロゴのデザインやカラー、フォントなどのデザイン要素を統一して一貫性を持たせましょう。ビジュアルアイデンティティを確立させることで、ホームページを見たユーザーに学校のイメージを印象づけることができます。
中でも色やフォントは、学校のブランドイメージを一目で印象付ける重要な要素です。例えば、温かみのある色合いと親しみやすいフォントを使用することで、訪問者にフレンドリーで安心感のある印象を与えられます。一方、クールな色合いとシンプルなフォントを組み合わせると、プロフェッショナルで洗練された印象を演出できます。
- 魅力的な画像や動画の活用
ビジュアルコンテンツは、一瞬で学校の雰囲気を伝える力があります。学校の象徴的なイベントや、生徒たちの日常を捉えた写真や動画を取り入れることで、見る人の感情に訴えかけ、「この学校に行きたい」と思わせることができます。
- 統一感のあるデザイン
デザイン要素はもちろん、全体のデザインイメージを統一することもブランディングの一つです。ホームページ公開時には統一されていても、ページの増減や機能の追加などにより、徐々にデザインの方向性がブレていってしまうことも。そのため、ホームページ制作時にデザインの方向性をきちんと定めておき、常に基本に立ち戻って、改修を進めるようにしましょう。
このように、教育機関のホームページは、ユーザーに対して「学校らしさ」を発信し、「自分に合った学びの場」と感じてもらえるようにすることが大切です。受験生や保護者に対して、学校の個性と魅力が伝わるデザインを意識してブランディングを行いましょう。
信頼性を高めるコンテンツ
教育機関のホームページで信頼性を高めるためには、ユーザーに有益かつ最新の情報を提供することが重要です。以下のポイントを押さえて、教育機関の魅力と信頼感をしっかりと伝えましょう。
- 最新情報の掲載
イベント情報やお知らせなどは、常に最新の状態に保つことが大切です。古い情報が残っていると、「管理が行き届いていないのでは?」とユーザーに不安を与える可能性があります。情報をこまめに更新することで、教育機関に対する信頼感と安心感を高める効果が期待できます。
- 写真・動画の活用
写真や動画は、教育機関の雰囲気や魅力をダイレクトに伝えるための有効なツールです。施設の様子や授業風景、生徒たちの表情など、高画質で魅力的な映像を掲載することで、ユーザーに教育機関のリアルなイメージを伝えることができます。
- 第三者の声の掲載
卒業生や保護者の声は、客観的な評価として訪問者にとって非常に参考になります。実際の体験談を掲載することで、教育機関に対する信頼感が増し、安心して選んでもらうための要素になります。
- ブログの運営
日々の活動や教育方針を発信するブログは、ユーザーに親近感を与えます。ブログを通じて、学校の日常や教職員の人柄、教育に対する思いを伝えることで、教育機関とユーザーの距離が縮まり、より深い信頼関係を築くことができます。
これらの要素を効果的に活用することで、ホームページを訪れるユーザーに「信頼できる教育機関だ」と感じてもらえるようにしましょう。
情報更新のしやすさと運営体制の整備
教育機関のホームページは、常に最新の情報を届ける「生きた情報プラットフォーム」として運営することが求められます。そのため、更新が容易であることが重要なポイントです。この点で、CMS(コンテンツ管理システム)の導入が効果的です。専門的な知識がなくても、直感的に操作できるよう設計されたCMSを活用すれば、日々の情報更新をスムーズに行えます。
また、定期的な更新を実現するには、運営体制の整備も欠かせません。更新を担当するスタッフの役割を明確にし、サイトのメンテナンスや新しいコンテンツの企画を定期的に行う仕組みを構築しましょう。
継続的な更新と運営体制の整備により、ユーザーに常に新鮮で信頼できる情報を提供できます。
3. 学校・教育機関(塾・資格スクール)のホームページ参考事例
ここでは、教育機関ごとにホームページの参考事例をご紹介します。自社のホームページへ活かせる具体的な改善ポイントを見つけ出してみましょう。
学校・専門学校
国士舘大学
(引用:https://www.kokushikan.ac.jp/)
ロゴカラーである赤と黒を基調とした、シンプルでありながら力強いファーストビューが目を引きます。そこに各学部をイメージした幾何学模様とテーマカラー、リアルな大学生活を描いたプロモーションムービーを取り入れることで、学生が自信を育み、成長できる教育環境と、活気に満ちたキャンパスライフの両面を表現した魅力的なデザインとなっています。
また、受験生、在学生、卒業生それぞれに向けたコンテンツが分かりやすく整理されており、必要な情報にスムーズにアクセスできるのも特徴です。サイト全体を通して文字情報とビジュアル情報のバランスが良く、ユーザーがストレスなく情報を取得できるよう配慮されています。
在学生や卒業生、教員へのインタビューのコンテンツでは、大学への想いや具体的な活動内容を知ることができます。さらに、卒業後の進路についても、社会に出てからの活躍状況をデータを使って紹介していて、将来の自分をイメージしやすい魅力的なサイトとなっています。
HAL東京
(引用:https://www.hal.ac.jp/tokyo)
「好きなことでプロになれる学校」というテーマで、ゲームやCGなどのクリエイターを目指す人々に向けた、刺激的で印象的なビジュアルと挑戦意欲をかき立てる力強いメッセージが特徴のサイトです。
93.6%という高い満足度と、卒業生の主な就職先実績が数多く掲載されており、卒業後に即戦力として活躍できることをアピールしています。加えて、どんなキャリアパスを描けるのかを具体的に想像できるようになっています。
他にも、施設や設備、学校生活、周辺環境について動画を交えて紹介されており、入学後のキャンパスライフがイメージしやすいのも特徴です。さらに、「この学校だからできること」として、他校にはない独自のカリキュラムや、現場で活躍するプロによる実践的な指導など、入学を検討する上で知りたい情報が満載です。
また、多言語対応のサイトであることや、「訪問者別INDEX」で入学検討者や在学生、卒業生、保護者向けといったユーザー別の動線も確保していることで、誰もが迷わず目的とする情報にスムーズにたどり着けるように工夫されています。
学習塾
みんなの塾
この塾のホームページは、コンセプトや指導方針はもちろん、他塾との違いまで詳しく解説しています。特に多くの保護者が感じる子供の教育への不安や悩みに寄り添った内容は、共感を呼ぶポイントです。
各コースごとの料金体系もシンプルに分かりやすく明記されているため、検討しやすいのはもちろん、「思っていた金額と違う!」というミスマッチも起こりにくくなっています。さらに、合格実績を兼ねた実際の生徒による「合格体験記」や、各校舎の詳細な情報、講師陣の紹介など、具体的なイメージを掴める工夫がされていて「どんな環境で学べるのか」「どんな先生が指導してくれるのか」といった疑問に、しっかりと答えてくれるホームページであるといえます。
また、無料相談への誘導もスムーズなため、訪れるユーザーが迷うことなく次のステップに進めるようになっています。
資格スクール
ユーキャン
実用的な機能と豊富な情報で、資格取得への道のりをしっかりサポートしてくれるホームページです。
多様な検索方法が用意されており、自分に合った資格を診断やランキングから見つけることができます。また、取得したい資格が決まっている場合も、ジャンルやキーワードで簡単に探せます。
さらに、多くの「受講・合格体験談」が掲載されており、講座別や性別、年代に応じて探せるため、自分と似た環境の方の経験を参考にでき、資格取得までの具体的なイメージが掴みやすくなっています。
加えて、講座の人気投票などエンタメ性の高いコンテンツもあり、楽しみながら情報を集めることができます。
受講生向けには、オンラインで学べるコンテンツやサポートも充実しており、通学が難しい方でも安心して学びを進められます。
ヒューマンアカデミー
ブランディングを意識した、カラフルで明るいデザインと、心に響くメッセージが、夢に向かって一歩ふみ出し、挑戦するワクワク感を演出しています。ビジュアルとメッセージの親和性を感じることで、見る人の心を強く惹きつける効果を生み出しています。
LINEで気軽に相談できる窓口が設置されていることや、オンライン上でパンフレットを見られるようにしていることから、働きながらの受講など、忙しいユーザーへの利便性も高めています。
そして、「マンツーマン学習コーチング」によるきめ細やかなサポート体制が紹介されていることで、安心して学べる環境が整っていることが分かります。
4.まとめ
教育機関のホームページは、単なる情報発信ツールではなく、学校の魅力や教育理念を伝えるプラットフォームとして機能する必要があります。そのためには、明確な目的設定、ブランディングを意識したデザイン、信頼性の高いコンテンツ、そして運営体制の整備が不可欠です。
これらの要素を網羅することで、見込み生徒や保護者の不安を解消し、教育機関の価値を魅力的に伝えることができます。その結果として、質の高い入学者の獲得と、教育機関全体のブランド価値向上につながるのです。
より効果的なホームページ制作のためには、制作目的の設定やブランドコンセプトの設計、強みの棚卸しを行い、認識のすり合わせから始めることをおすすめしています。ヒトツナギ・デザインでは、お客様と密に打ち合わせをおこない、ホームページ制作の方向性決めから丁寧に進めていくことを大切にしています。ホームページ制作をご検討中の方は、まずは無料相談から、お気軽にお問い合わせください。